文章や絵で表現すると自分の価値に気づかされます
「やっぱり一人は淋しい」
「ついつい予定を入れてしまうから、一人でいられる暇がない」
上記のような例は、孤独を恐れている人の典型的な言葉ですね。
こういうタイプは、孤独になる機会を避けようとして、あえて忙しくしてしまうようです。
「一人で何をしたらいいのかわからない」という人もいるかもしれません。
たまたま、家に一人で過ごすことになっても、片づけをしたり、誰かに電話をしたりして、結局自分とじっくり向き合わないまま時間をつぶしてしまう人もいます。
そこで、誰もが試みやすい方法としてお勧めしたいのが、日記や物語を書いたり、絵を描いたりするということです。
日記をつけると、自分を客観的に見ることになり、感情をコントロールできるようになるということは、以前にも述べました。
それはすなわち、自分自身の本当の姿と向き合う孤独の体験になります。
物語を書くというのも、決して作家デビューを目指せということではありません。
難しく考えず、誰か自分の知っている人を登場人物のモデルとして、シチュエーションを設定してみましょう。
そして、自分の気持ちを伝えたり、問いかけたり、相手の感情を読み取ったりしてみるのです。
言うなれば、一人芝居を文字にするという行為です。
長いストーリーを考える必要はありません。
そのときに、心にひっかかっていることをテーマにして、短いエピソードを考えてみればいいのです。
こうした書くという行為のなかで、自分自身について、また自分の価値について考える時間を持つことができます。
絵のような造形についても、同じことがいえます。
文字を使わないので、それだけ基本的な欲求や感情が、意識を超えて表現されるというメリットもあります。
心理学では「アートセラピー」と呼んで、治療のために用いられています。
描くのは自分自身でも何でもかまいません。
モチーフがなんであろうと、今の自分の心のうちをあらわすことになるからです。
そこには意識のうえだけでなく、無意識の世界に住む自分自身も投影されています。
自分自身の内面を描きだすことになりますから、その作品は、言わば自分を映している鏡といえるのです。
孤独の自由を楽しめた時、あなたの個性が光る瞬間です
一人になるのを恐れていた人も、何かのきっかけで孤独を体験すると、そこから大きな満足感を得られることがあります。
これはどうしてでしょうか。
孤独の中で自由の楽しみを味わい、自分らしさが確認できることで、他人と一緒に過ごすこととは異なる喜びを見出すためです。
外向的な人は、自分自身を解放して人付き合いができます。
でもそれは、人の意見や考えなどを自分自身のものと同化させることにもなります。
ですから、孤独を体験することは、他人とは違う自分らしさを自分自身で確認する貴重な機会になるのです。
友だちと同化して、失いかけていた独自性の大切さを、あらためて知ることになります。
文字を書いたり、絵を描いたりする以外に、もうひとつ創造的思考に励むということも、孤独を味わえるまたとない体験になることを付け加えておきましょう。
あなたは何か悩みがあるとき、どう対処していますか?
外向的な人なら、おそらく友人や恋人、家族に打ち明け、相談することでしょう。
もちろん、人に意見を求め、その人ならではの見方、考え方を聞くことは、問題解決の助けになります。
ただ、自分の意見と同化させるようでは、成長のきっかけを逃すことにもつながります。
壁にぶつかったように思えるとき、心に暗い影を落とす出来事があったときは、誰もが気持ちが沈んでしまいがちですが、それを乗り越えることで、一まわりも二まわりも成長できるのです。
壁にぶつかったとき、何か問題に直面したときには、一人でその解決策を創造的に考えてみてはどうでしょうか?
社会の常識やルール、他人の意見に惑わされず、自分なりのアイデアを出してみる。
そして、それを実行に移す方法を考え、現実のものとしていくのです。
いい考えが浮かばなくても、考えに考え抜いてみることです。
アイデアが生まれないのは、誰のせいでもなく、自分の力が足りないからです。
社会の常識や人の意見に安易に従わず、あえて自分なりの道を進もうとすることで、忍耐力も育まれていきます。
それが孤独に耐える訓練にもなります。
たとえその結果、失敗したとしても、ほかの人に責任をかぶせることはできません。
自分自身がいたらず、努力が足りなかったことがわかるはずです。
そうした経験こそが、人を成熟させるのです。
ほかの人とは違う、あなただけの個性を持った魅力的な人になるのです。
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