近年ようやく、日本も女性の社会進出が進んできました。
しかし日本という国は、驚くほど勤勉で長時間労働を苦なくこなす国です。
そんな日本の女性は今、スーパーウーマン症候群という病気にかかってしまっている人が増加傾向にあり、これからもどんどんと増加していくことが予想されています。
今回はそんなスーパーウーマン症候群について、症状やなりやすい人の特徴などを詳しくご紹介しようと思います。
「歩く速さ」を見つけたら、もう焦ることはない
「仕事も家事も育児も」と、一日中フル回転で活躍する女性たちが増えています。
このような完壁を目指すキャリアウーマンが陥りやすいのが「スーパーウーマン症候群」です。
いくつもの役割を完壁にこなそうとした結果、心身ともに疲れてしまい、情緒が不安定になってイライラしたり、体がだるくなったり、うつ病に似た症状があらわれるのです。
スーパーウーマン症候群の言葉通り、彼女たちはみな優等生で、仕事もでき、責任感も強く、社会的にも高い評価を受けています。
自らも、「こうありたい」「こうあらねば」という理想を高く持っているので、がんばれるだけ全力疾走で突き進んでしまいます。
子どもを保育園に迎えに行く時間までに、集中的に仕事をかたづけ、家に帰れば一気に家事をこなし、働いていることがマイナスにならないようにと、子どもとのコミュニケーションの時間も大切にし、一方で妻としての役割も完壁を目指します。
「結婚しても、所帯じみた女性にはなりたくない」
「誰からも認められ、目標にされるような女性でありたい」
そんな思いも人一倍強いので、いつも全力投球を惜しみません。
最近は、雑誌やテレビでも社会の第一線で活躍する「素敵な女性」たちが数多く登場しています。
身近に女性の生き方のたくさんのお手本があるので、「自分も将来こんな女性になりたい」と、理想も夢も大きく膨らみます。
しかし、その思いが強すぎると、強迫観念にとらわれて、限度を越えたがんばりを発揮。
そののち、息切れして倒れてしまうのです。
完璧主義を裏返すと…
完壁主義の人は、裏を返せば失敗を恐れる人です。
そこで、ちょっとした挫折が大きな痛手となりやすいのです。
でも、考えてみてください。
複数の役をすべて完壁にこなす人など、世界中くまなく捜しても見つからないのではないでしょうか。
完壁にできなくて、むしろ当たり前です。
しかも、めいっぱいがんばると、自分が脱線したはずみに、周囲の空気もかき乱します。
そのとき、スーパーウーマンは静寂を脅かす一台の暴走車となるのです。
この暴走車は、他とうまく調和をとることができません。
そして、人生の快適なドライブを楽しむためには、時どき運転をやめて休憩をとったり、周囲と協力し合うことも必要です。
昔、周囲に目もくれず勉強していたガリ勉タイプは、近づきがたい雰囲気がありませんでしたか。
勉強、また勉強という姿勢が、自然とまわりの生徒との聞に壁をつくっていたのではないでしょうか。
そして、スーパーウーマンも同様に、知らず知らずのうちに周囲に息苦しい風を送っているものです。
「ああ、忙しい、忙しい」「あれもこれもやらなくちゃ」とがんばっている人の近くにいると、見ているほうも疲れてしまい、ちょっと遠ざかりたくなるものですよね。
忙しがり方、がんばり方が、あまりに強烈だと、自分のパワーを吸い取られそうな危機感さえ覚えることもあるでしょう。
無理してがんばれば周囲も疲れる。
そして、がんばりをアピールしすぎては、周囲はもっと疲れる。
ですから、ちょっと肩の力が抜けたくらいがちょうどいいのです。
一緒にいてほっとする人の魅力とは?
なぜか一緒にいて「ほっとする人」の魅力は、こんなところにもあるのではないでしょうか。
完壁主義の人間は、試験の点数でいえば100点を常に目指しています。
ところが、100点満点を目指すと常に肩に力が入った状態が続き、周囲の空気もかき乱してしまいます。
いつも100点をとろうとすると、全力疾走を余儀なくされ、自分も周囲の人間も息苦しくなります。
そこで、あえて80点や70点くらいを目指してみるのです。
最初から、20点程度を引き算しておくことが、肩の力を抜いて人生を楽しむための重要なポイントです。
8O点や7O点を目標に掲げることで、あなたも周囲もラクになり、人間関係も好転し始めるでしょう。
そして、脱100パーセントでゆとりを持って歩いたほうが、周囲の空気も和むことはいうまでもありません。
自分の歩く速さを見つけたら、もうあせって人を追い越す必要はありません。
周囲の人間と調和をとりながら、「快適に歩ける生き方」ができるでしょう。
この記事へのコメントはありません。