親子関係があなたの恋愛・結婚を左右する?
人を決めつけるような口をきく彼。
そんな彼(彼女)に対して、彼女(彼氏)は自分の父親の姿を見たのではないか。
父親が厳しかった彼女(彼氏)は、いまでも父親に言い返したいことがたくさんあるのだろう。
幼い頃、厳しく叱られ、一言いたいことを言葉で表現できずに、ただ一方的に決めつけられたことによって、心が傷ついたのだ。
その傷は、いまだに癒えていない。
父親に言いたい言葉が、心の中にまだいっぱい埋まっている。
その傷を再びえぐるように、一方的な言葉が彼の口から出たとき、一時は聞きかけていた彼女の心の扉がすっかり閉ざされてしまったのである。
口がきけないというより、本当は口をききたくないという心理なのだろう。
こんな背景が、何回かのカウンセリングの結果、彼女にも見えるようになってきた。
やがて、彼女が口に出す言葉の数も少しずつふえてきた。
「この結婚、しばらく先に延ばすことにします。いまから挙式の日を変えるのは大変だけど、自分から彼にはっきり伝えます。その理由も、隠さず伝えます」
最後に言った彼女の言葉は、じつに明瞭だった。
改めて自分の人生を生きようとするパワーが感じられた。
彼女の表情も、きわやかであった。
この事例には、次のようなことが明らかに示されていると思う。
一つは、異性と深くつきあうようになったとき、自分の生育歴において受けた心の傷が、蘇ってくることがある。
特に傷が癒やされていない時、傷を与えた相手(この場合は父親)を現在の相手(婚約者)に投影するという形で出てくることがある。
さて、ここで考えてみよう。
私たちは皆、それぞれの生育歴をもっている。
親を選ぶこともできず、その親にどういう考えや方針で育てられるかも選ぶことができない。
にもかかわらず、私たちは、その親によるしつけや教育に、深く影響を受けて育ってきたわけである。
いつも一緒にいないと不安で仕方がないという人、逆に、いつも一緒だと息がつまるという人、どちらも生まれてから今日までの環境に深く影響された 愛し方をしているのである。
そして先に見たように、幼年期の心の傷が、つきあう相手によって思いがけず明らかになる場合もある。
それを、「運命だから、あきらめるしかない」と言う人もいる。
一方、そういうしつけや教育をしてきた親に文句を言い、非難する人もいる。
あるいは、そういう親の影響によってつくられた自分の性格の特性をよく理解し、受け入れる人もいる。
そして、そういう自分と合う異性を探そうとする。
じつは、これが大事なのだ。
自分の特性をまず理解し、受け入れること。
そのうえで、直せるものは直せばいい。
また、自分に性格の特性があるように、相手にもある。
その相手の特性を理解し、受け入れることだ。
お互いにそれぞれ自分とは違う特性を受け入れあいながら、あるところでは距離をとり、あるところでは親しく寄り添えばいい。
子供の頃におったトラウマというのは、大人になっても消えない。
厳しい親が悪いというわけではない。
しかし、厳しいと傷つけるの境界線を分かっていない親も多いのだ。
相手を傷つける事は簡単だが、傷が癒えるのは難しいのである。
この記事を呼んでいるのがもしも、お父さん・お母さんなのであれば、一度自分の教育を見なおしてみてください。
子供というのは、何気ない一言などで、傷ついているのです。
また、多くの子供がトラウマを持っているのは間違いありません。
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