強がりという言葉がありますが、意味は【弱みを見せまいとして、虚勢を張ること。】です。
つまり強がりな人の心の中には、常に弱みというものが存在します。
もちろん弱みの無い人間など存在しませんが、なぜ強がりな態度を取ってしまう人と、強がらない態度を取る人に分かれるのでしょうか。
そこには人間の様々な心理状況が関係しており、また過去の環境も大きく関係しているのです。
そんな強がりな人の本当の気持ちについて、チェックしていきましょう。
目次
不安を過度に埋め合わせようとする
私たちは誰しも不安をもっています。
そして、その不安を隠そうとするのはまったく正常なことです。
不安を隠し、他人よりも物事が分かっているふりをすると、いっときは自分を実際より強く、賢く、すぐれた人間に見せることができます。
さらに人はときに見せかけを本物と信じてくれるので、私たちは効果的な自己防衛の手段として、その見せかけ(強がり)を何度でも利用するのです。
つまり、不安な心を隠そうと強がってしまった結果、強がりな性格になってしまうというわけです。
あなたが抱いている不安な原因を解決できなければ、強がりな性格を直すことはできません。
それが正しいことに思える
両親の喧嘩を思い出してください。
おそらく、意見の違いを認めあって解決したことはあまりなく、どちらが正しくてどちらが間違っているかはっきりさせるまで、喧嘩は終わらなかったのではないでしょうか。
私たちはしばしば、親を手本にした行動を日常生活にもちこむので、相手とのどんな意見の相違も、正しいか間違っているかの問題にしてしまいがちです。
相手のするささいなことにケチをつけてしまう原因は、両親が家庭と子供を支配しようとするのを見てきたからです。
強がりな人の心理状況の1つに、自分は正しいと思い込んでいるがゆえに、相手の意見を認めようとはしないという固定概念が考えられます。
正しいという固定概念が強ければ強いほど、強がりな言葉や行動が表に出てしまうのです。
正しいことは1つしかないと思っている
何が正しくて何が間違っているかという概念は絶対的なもので、議論の余地はないと信じている人は大勢います。
どんなことについてもさまざまな見方があるので、正しいものは1つしかないとするのは不可能に思えます。
ところが、中には正しい見解はあくまで1つだけで、それ以外の考えを持つ人は全員間違っていると言う人もいます。
これは人種差別、性差別、同性愛差別を生む「論理」です。
そういう人は、正しいことをしている自分には、間違っている相手を批判したり罰したりする権利、いや義務までが、道義的に与えられているという心理が強く働いています。
一般的に言って、そうした極端な見解を持つ人は、結局同じ考え方の人と一緒にいるようになります。
非常に厳格で極端な考え方の中で成長した人は、時にその考え方そのものは拒絶しても、何でも善悪をはっきりさせなければ気がすまないという姿勢だけは身につけているという、典型的な特徴も見られます。
他人を支配したいと思う
私たちは、他人をコントロールできれば自分の人生もよりコントロールできるようになると信じて育っています。
しかし、実際はそんなことはめったにありません。
他人を支配すれば、負うべき責任がふえ、自分が支配力を及ぼしている人を恨む理由が増えるだけです。
強がりな人は自分の意見を認めてもらうことで、他人を支配した気分に浸ります。
そして他人を支配できたという満足感から、自分の弱さを隠しているのです。
他人を支配することで、自分は強い人間だと自分に言い聞かせているということです。
悪い行いをしたら罰を与えるべきだと思う
人はたいてい、自分を変えようとされると抵抗するものです。
そして強がってしまうわけですが、相手を変えようとして抵抗された場合、人間は罰を与えるしかないという心理が強く働きます。
小言を並べたてる、文句を言う、愛情や思いやりを与えないようにする、傷つけようとする、これらはすべて罰です。
変に聞こえるかもしれませんが、愛する人を罰するのはその人にもっと近つきたいという願望から出ることです。
相手が本来の自分を変えてまで相手を喜ばせる気はないと考えていても、相手は愛情がないから変わろうとしないのだ、と私たちは都合のいい考えをしてしまいます。
そして、罰を与えて望んだ結果が得られなくても、罰を与えるという行為自体が問題なのだとは考えず、もっと厳しい罰が必要だと考えるのです。
相手を罰するためにいつも怒っているふりをしたり、しょっちゅう相手のふるまいが気に入らないと示したりする人がいます。
ですから強がりな人は、自分の正しいと思っている意見を納得してもらえないと、拗ねたり機嫌が悪くなったりしがちです。
強がりな人が意地になってでも自分の意見を主張する心理状況とは、こうした身勝手な心理が働いているのです。
強がりは人間関係を狂わせる
独りよがりな見せかけの姿に隠れている人と、本当に親密な関係を築くのは不可能です。
なぜなら強がりな性格の人と一緒にいても、常に自分は二番手で引き下がる立場に応じないといけないからです。
しかし、いつも自分が正しいと思う習慣をやめるのは難しいことです。
それは両親や学校の先生から教えられ、誉められてきた行為だからです。
人はそれぞれにさまざまな技術や能力をもっていますが、知識や道徳の面で正しくあることを学ぶ影で、そうした技術や能力は軽視されがちです。
人間の考えは人それぞれであり、自分が常に正しいということはあり得ないんだ、という自分の弱さを認めてあげることで、強がりな性格を変えていくことは可能です。
また、「意地っ張りな性格を直す為の4ステップ」もセットで読んでみましょう。
強がりな性格の人は、意地っ張りな一面もよく見られます。
自分は意地っ張りな一面もあると少しでも思ったのであれば、一緒に読んでみましょう。
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