「好き」という気持ちをさりげなく相手に伝えるコツは?
人を愛する心は、その人の態度や行動にあらわれる。
相手を大事にし、ケアすること。
相手が何を必要とし、何を求め、何を訴えているのか、理解しようとする。
愛しあうパートナーとして、相手に対して責任をもってかかわる。
こういったことで、愛を表現することができる。
しかし、相手に対する愛の表現の仕方がよく分からないとか、どうも苦手だという人が案外多いように思うので、そんな人に、ちょっとしたヒントを述べよう。
第一に、たとえば、こういう表現の仕方をしてみてはどうだろうか。
「あなたのおいしそうに食べるところが好き!」「あなたの笑顔はとっても素敵よ!」
ただ漠然と「あなたが好きだ」とか「愛している」と言うのではなく、具体的にほめるのがポイントだ。
そう言われると、相手も素直に受け入れやすい。
すると、相手の態度や言動が変わってくる。
「そう言ってくれる君のそばにいることが幸せだ」 といった言葉が返ってくるかもしれない。
第二に、こういう表現を心がけてみよう。
「今日は少し疲れているみたいね。肩でももんであげましょうか?」
つまり、相手への気づかいやケアを、具体的に表現するのだ。
体にふれることで相手に対する好意が伝わり、あなたの優しい想いも伝わる。
相手があなたの好意を受け入れていると感じたら、優しい声で「愛しているわよ」と耳元でささやいてもいい(これは男性にもできることだ)。
第三に、相手の大好きな料理をつくってあげることなども、間接的な愛情の表現になる。
反対に、そういう好意を示してもらったときは、「おいしい!」という言葉で感謝の気持ちをあらわすことも、もちろん大切だ。
家での食事は、空腹を満たすためだけのものではなく、お互いにいたわりあい、心を愛で満たすためのものなのである。
愛を語りあうのは、レストランで豪華な食事をするときよりも、家でする食事のときのほうがずっといい。
そんなに気ばった料理でなくても、相手への好意や気くばりが感じられる食事であればいいのだ。
こういった具体的な態度や行動を示すことで、愛が育つのだと思う。
同時に、愛する技能が少しずつ磨かれ、上手に愛することができるようになるのではないだろうか。
結婚はゴールではなく学びの場です
もちろん、自分の愛し方が相手にとって心地よくないこともあるだろう。
そんなときは、相手からネガティブな反応が返ってくる。
つまり、相手の反応は、自分はどういう愛し方をしているかを映し出す鏡なのだ。
相手の反応から学ぶことで、自分勝手な思いこみによる愛し方を抜け出し、人の愛し方そのものを学んでいくことができる。
恋人の関係を、愛の関係に育てていくには、こういった愛し方の学習が欠かせない。
愛し方の学習の過程においては、さまざまな葛藤が生じる。
その一つひとつの葛藤に悩み、試行錯誤を繰り返しながら、自分を学び、相手を学ぶ。
そうした体験の積み重ねの中で、お互いの愛情が強まり、「愛しあう関係をつづけたい」という思いを共有するようになる。
それが結婚という、より深く相手にコミットする関係 へと発展するのである。 だが、決して結婚はゴ lルではない。
愛する技能を学びながら、愛を育てていく作業は、結婚してからもつづけていかなければならない。
愛する技能は、決して短期間で学べるものではないからだ。
その意味では、結婚生活というものは、愛する技能を学ぶ修練の場であるとも言えるだろう。
それも、もっとも効果的な修練の場ではないだろうか。
自分の気分がよいときにだけ、ともに時間を過ごす恋人関係と違い、常に相手に対応することが求められるのが結婚生活なのである。
だから、逃げることも、ごまかすこともできない。
こういった関係に入るには、勇気がいる。
覚悟もいる。
相手への、より深いかかわりも必要である。
勇気がなければ、愛の人には成れないのだ。
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