約束を破ったとき、相手の「本当の姿」が見える
相手が遅れたのには、どうしょうもない理由があることも多いはずだ。
たとえば、デートに間にあうようにと時間を考えて家を出たけれど、途中で電車が事故で止まってしまったとか、出かける直前に友人から悩みごとの相談の電話があって、どうしてもすぐに電話を切れなかったとか。
遅れた理由も聞かずに、いきなり不満や怒りをぶつけるというのは理不尽である。
そういう人は、基本的には自分中心主義の人なのだろう。
こういったタイプの人は、生涯のパートナーとして向いているとは言いがたいという見方もできる。
長い人生、長い結婚生活には、自分にはどうにもできない状況に出会うことが多くある。
そういう事態に遭遇したとき、それに対して健全な態度で対応する能力を欠いているとしたら、そういう人との結婚生活は、かなり苦渋に満ちたものになるに違いないだろう。
こういう事態に出会ったときにとる態度や行動に、その人の本当の資質、性格的特徴があらわれるものなのだ。
私は、デートに遅れたときなどは、相手の性格の実態を知る絶好のチャンスだと思っている。
だから、たまにはデートにわざと遅れたり、急にキャンセルしたりしてみてはどうだろう。
そして、相手がどういう反応をするか、じっくり観察してみては?
少なくとも相手とのつきあいを真剣に考えているなら、そのくらいの工作をしても許されるだろう。
少なくとも、わざと浮気をして相手の反応を見るより、ずっと罪は軽いと思う。
つきあっている相手の、いわゆる許せない行為に遭遇するのは、そんなに珍しいことではない。
たとえば、友だち関係や仕事の悩みなどを相談しようとしても、うるさそうにして耳を傾けてくれない。
自分の都合のいいときだけは会いたがり、こちらの都合がつかないと機嫌が悪くなるくせに、こちらが会いたいときは、仕事があって会えないと言う。
夫婦の場合だと、妻が自分の親に誕生日のプレゼントを贈ったりすると、夫は機嫌を損ねるくせに、夫は自分の親に高価なものを平気でプレゼントする。
あるいは、高価なものを妻に相談せず、一人で決めて買ってしまった。
結婚前は、夫の両親とは別居すると言っていたのに、結婚したとたん、同居すると言い出した。
結婚前は、妻が仕事をつづけることに賛成していたのに、結婚したら、辞めてくれと言った…等々。
相手の許せない行為を書き出したらキリがない。
いずれも、カウンセリングの場で耳にした妻たちの訴えである。
こういう相手の許せない(許しがたい?)行為に対する反応もまた、人によってさまざまである。
新婚早々、こんなことがあったと、ある女性が訴えてきた。
「私が重い風邪をひいて、夕食の準備もできずに寝こんでいた日のことです。仕事から帰ってきた夫は、不機嫌な顔で家を飛び出し、外食をして夜遅く帰宅。私には食べ物を何か買って帰ってこなかったばかりか、私の体の具合を尋ねることもしないのです。 こんな冷たい夫と別れるのはかんたんです。でも、いまのところ、我慢するつもり。努力してだめだったら、悔いは残りませんから」
あなたが、この女性のような状況に遭遇したら、どういう対応の仕方をするだろうか。
①怒り狂う。
「新婚早々、何よ!思いやりがない人ね!」と怒りを相手にぶつける。
②腹を立て、黙って実家に戻ってしまう。
③「勝手にしろ」という態度をとる。
「何をしようとあなたの自由。でも、あなたが病気のときは、私も同じようにしますから」と言う。
④男は皆そういうものなんだから、とあきらめる。
⑤こんな男であることを知らずに結婚した自分が悪いのだと、自分の愚かさを嘆き、自分を責める。
⑥とことん話しあう。
二人で気持ちのいい生活をするにはどうすればいいか、相手の意見を聞き、自分の希望を言う。
⑦二人の関係に問題があるのだと考え、その問題を取り除く努力をしようとする。
反応の仕方を考え出したら尽きない。
このほかにもきっとあるに違いない。
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