美しいだけでは愛されない
女性が素晴らしい人生を歩んでいくにあたっては「どれだけ自分の容姿に自信が持てるか」が重要だとお話ししました。
ところが、自信家の中には、ナルシストやエゴイストになってしまう人もいます。
自己中心的で、いつも自慢ばかりして、独占欲が強い。
他人のことなど、まるで気にとめない。
そんな女性が、本当に素晴らしい人生を歩んでいけるものでしょうか?
ここで、シンデレラの原典である『サンドリヨン』の作者、シヤルル・ペローの言葉を引用しましょう。
美しさは、男でも女でも、希少な宝物。
見あきることなど決してない。
けれど、美しさの良さというものは、それにもまして、はかり知れぬ価値がある。
この言葉について考えてみてください。
外見だけの話なら、シンデレラの姉たちだってかなりの美しさを誇っていたはずです。
しかし、彼女たちは王子さまから選ばれることはありませんでした。
作者が言うのだから間違いないでしょう。
姉たちに足りなかったのは美しさではありません。
もっと大切な宝物、品性(人が見たその人の性質)だったのです。
外見的な美しさ、特に顔立ちなどは、生まれ持った部分も大きいかもしれません。
シンデレラの姉たちのように、生まれながらに美しい容姿を手に入れる人は、たくさんいます。
ところが、「生まれながらの品性」というものはありません。
品性とは、わたしたちが長い人生の中で、ゆっくりと育て上げていくものです。
あるいはこれを「内面からにじみ出る美しさ」と言い換えてもいいでしょう。
シンデレラが舞踏会に到着したとき、人々はあまりの美しさに息を飲み、会場は静まりかえってしまいました。
そしてシンデレラの優雅なダンスは、一緒に踊っていた王子さまのみならず、女性を含めた参加者のすべてをとりこにしてしまいました。
これは、シンデレラの外見的な美しさだけでなく、類い希なる品性があったからこそ、見られた光景でしょう。
美しいだけでは、本物の恋は得られません。
外見の美しさより、こころの美しさにこそ価値があるのです。
本当にこころが美しければ、それはあなたの外見まで変貌させます。
毎日の生活の中で、シンデレラをいじめ抜いていた姉たちは、こころの中が汚れきっていたに違いありません。
ベローが残した「もうひとつの美」の教訓を、どうぞ忘れないようにしてください。
人を褒めるほど美人になっていく
周囲の人を祝福すること、褒めることの大切さについて、もう少し詳しくお話しします。
すでに「口ぐせ」の効果についてはご説明しました。
わたしたちの脳にある自律神経系は、言葉にされたことを「本当にあったこと」として受けとめ、その実現のためオートパイロット(自分は可愛い人と思うことにより、脳が本当にそうさせようとすること)のスイッチを入れる、というものです。
シンデレラのストーリーに沿って言い換えるなら、言葉にされたことを実現するために「かぼちゃの馬車」を走りださせる、ということです。
「わたしは魅力的ないい女だ」
そういう口ぐせさえ持っていれば、かぼちゃの馬車が動きだし、本当に「魅力的ないい女」 へと変貌していきます。
強い意思などいりません。
意思よりも大切なのは想像力、そして言葉のパワーなのです。
そして、この口ぐせの効果は他にも応用できます。
まず、自律神経系には「誰が」という主語が理解できません。
あなたがお友達に向かって、「あなた、最近キレイになったわね」と声をかけても、自律神経系のほうではそれを「自分のこと」と認識してしまうのです。
そうすると、あなたが周囲の人を褒めれば褒めるほど、オートバイロットは「自分が褒められたんだ」と判断して、あなた自身をどんどん美しくしていきます。
嫉妬心のない女性、品性の備わった女性が、外見的にも美しく感じられるのは、このためなのです。
逆の立場から考えてみると、こうなります。
他人に向かって発せられた悪口は、自律神経系はすべて「自分のこと」として受けとめてしまう、ということです。
たとえば、あなたが誰かについて「あの子って、生意気よね」と言ったとしましょう。
ところが自律神経系は、それをあなた自身のことだと受けとめます。
顔立ちこそ美しく生まれたのに、徐々に醜い女性へと堕落していったシンデレラの姉たち。
その陰には、彼女らがシンデレラに浴びせかけた罵晋雑言がありました。
みなさんも、ちょっとした悪口を口にしていないでしょうか?
悪意に満ちたうわさ話に花を咲かせていないでしょうか?
気がつくと、愚痴ばかりをこぼしていないでしょうか?
もし、こころ当たりがあるようなら、いますぐ改めてください。
これらの言葉がストレス発散になるなんて、大きな間違いです。
むしろ逆に、こころの奥深い部分にストレスを蓄積させていきます。
美しい冨葉は、あなた自身を屠いていきます。
汚い言葉は、あなた自身を汚していきます。
褒め言葉も悪口も、すべてあなた自身へと返ってくるのです。
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