フェロモンを上手に生かして、深く愛される女性になる
ここに、「一緒にいて楽しい」と感じているひと組の男女がいるとします。
その関係は恋愛に発展するかもしれないし、しないかもしれません。
そんな微妙な段階で、ふたりは最初のデートをしました。
このとき、女性がもし真剣に「あなたが大好き!」と言ったらどうなるでしょう。
残念ながら、相手の男から分泌されかけていたパソプレシン(ホルモンのこと)は、すっと引っ込んでしまうのです。
「恋した女性を自分の力でやっと手に入れた」という達成感を得る前に、女性のほうから「私はあなたのものよ」と言ってしまうからです。
これは非常にまずいパターンです。
早くなんとかしたいなどとあわてずに、もっと雰囲気を大切にした働きかけをすれば、結果は全然違ってきます。
たとえるなら、江戸時代の芸者がなまめかしく情緒たっぷりに男のかたわらに添うような、ああいう雰囲気を出すことです。
現代女性の場合なら、しぐさや動作、言葉や話題の選び方といったものにうんと注意を払うことです。
あくまでも女らしく優雅に、男心をそそるような言動で相手の性腺ホルモンを刺激すると、男性の脳内のバソプレシン値はぐんぐん上がります。
その昔、男性のパソプレシンは女性が分泌するフェロモンそのものに反応して分泌されていたといわれるので、その名残で、今でも男性は女性のフェロモンを連想させる身振りから大きな刺激を受けるということなのでしょう。
そういう、なまめかしいけれども品のあるアプローチを受けたとき、 男性がその女性に対して気がある場合は、彼女がどんどんいとおしくなっていきます。
こうした状況のもと、女性のほうではオキシトシンというホルモンが分泌されます。
これは愛情ホルモンとも呼ばれ、安心感や許容する心をもたらします。
このホルモンは、母親となり、初めて母乳を与えた時にも分泌され、女性が子どもに献身的な愛情を注げるのも、オキシトシンのおかげとされています。
女性が男性に対して母性的な愛情を注げるのも、このオキシトシンの働きが大きいのです。
焦らない女性ほど、大きなと褒美が手に入る
しかし、またここでひとつの落とし穴があります。
お互いに気分が盛り上がったからといって、最初のデートで安易に体を許したりすると、それから先はパソプレシンはもう出てこなくなります。
そうすると結局はあまり長持ちしない関係になります。
そのあたりは女性がうまくコントロールしてある程度の時間をかけないと、彼にとって「守りたい、特別な存在」にはなれないのです。
一番いいのは、何度もデートを重ね、お互いの気持ちを育む中で彼のパソプレシンをじゅうぶん蓄積させ、その上で体を許すことです。
もうお互いの気持ちはわかっていて、デートの前に女性は美容院に行ったり、メイクをしたりするだけで、もう幸せでうっとりしてしまう。
男性のほうも、いろいろとプランを考えたり、身だしなみに気をつかいながら、彼女を思って胸をときめかせる。
そして、ふたり一緒にいるときには、色っぽく情緒的な時聞が流れていく。
こういう時間をたくさんもつことが男性のパソプレシンと女性のオキシトシンの分泌を誘い、初めての体の感動をよりすばらしいものにしてくれるわけです。
関係ができてからはパソプレシンは新たに分泌されなくなりますが、それまでにじゅうぶん残高がたまっていれば、彼女に感じるいとおしきは変わりません。
そして、代わりに彼のほうにもオキシトシンが分泌されます。
今度は、相手を受け入れる穏やかな愛情が出てくるわけです。
そして、男女ともに快楽ホルモンのベータ・エンドルフィンも分泌され、心地よい充足感を感じることができます。
こういうプロセスをたどって結ぼれたカップルには、温かい情が育まれていきます。
男女ともに、平均的な結婚年齢になれば、もう体に溺れる時代は終わって、互いにコントロールできる段階に入っています。
待ち遠しく待って、やっとする。
それこそが長く続く愛情関係のヒケツです。
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